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売り上げは全てを癒やす!

分娩間隔を短縮して売り上げを最大化!

 はじめまして。日々、牛の臨床獣医師を行っている獣医師です。

繁殖成績と売り上げは切っても切り離せない関係!

このブログでは分娩間隔400日をきるための方法を解説し、繁殖を回して収益率の高い酪農経営を下支えしていきます。

繁殖成績の分析・アドバイス等も個別に対応しております。繁殖にお困りの方はご相談ください。

酪農家
酪農家

乳量が思うようにでないのは、どうしてかしら。。

餌代が高くて経費ばかり増えて大変だわ。。

酪農家
酪農家

なかなか受胎しない牛も多く繁殖成績が良くないけど、なんとかならんかなぁ。

もう少し収益をあげたいんだけどなぁ。

プラチナベット
プラチナベット

それは、分娩間隔が延びているのではないでしょうか?

分娩間隔を短縮させ400日をきることができれば自然に乳量・出生子牛数が増

え収益アップは間違いないでしょう。

そのためには、何といっても繁殖を回すことが重要です!

分娩間隔400日を切るためのステップ
  1. 【ステップ0】自分の農場の分娩間隔を知ろう 
  2. 【ステップ1】分娩間隔400日を切るための目標値をたてよう
  3. 【ステップ2】長期不受胎牛を受胎させる
  4. 【ステップ3】分娩後の初回授精を速やかに行う
  5. 【ステップ4】初回受胎率を上げる
  6. 【ステップ5】不受胎牛を発見し、その精度を向上させる

【ステップ0】自分の農場の分娩間隔を知ろう 

 まずは、自分の農場の分娩間隔を把握していない方は現状把握を行うことが先決です。

  • 乳牛検定を受けている方は乳検データを確認してみましょう。乳検データへのログイン方法が分からない方はこちらへ。パスワードが分からない場合は検定を行っている会社に確認してください。

北海道以外の方は繁殖台帳システムから

繁殖台帳システム

北海道の方は牛群検定WebシステムDLから

牛群検定WebシステムDL[ログイン画面]

サイトにログインしましたら、上タブにある帳票➡最新の検定成績表を開き、農場全体のデータをご覧下さい。

現在は分娩間隔が延長しているが将来分娩間隔が短縮することが予測される

数値がたくさん羅列されていると思います。まずは、分娩間隔の平均または合計が何日になっているか確認しましょう。この写真は赤字で462日と書いてあるため分娩間隔が延長していることを示しています。

一方、(予定)の平均または合計は(407日)となっているので現在妊娠している牛が分娩したら407日となり、未来の分娩間隔は短縮する予定です。

一年後、分娩間隔400日きり達成

一年後はこのように分娩間隔が392日と400日を切ることができました。

しかし、4産以上の牛の予定分娩間隔が赤字で454日になっているので、(予定)分娩間隔は419日を示しています。

毎年、安定的に分娩間隔400日以下を維持する事が重要です。

出荷乳量(前年対比)

これは実際、分娩間隔400日を切ったあとの出荷乳量を示しています。乳量は110%、乳代は114%、乳代から濃厚飼料代を差し引いた売上は115%に増えています。 

分娩間隔400日をきることができれば、出荷乳量が増え明るい未来が待っていることは間違いなしです!やっぱり出荷乳量が増えると酪農家さんはもちろんのこと、わたしも嬉しいものです。

初産の分娩月齢が遅れ、経産牛の分娩間隔は450日以上。行動し予定分娩間隔は411日に短縮

分娩間隔450日以上、分娩間隔400日を切るなんて無理だと思っている方、少しやる気を失っている方もいるかもしれません。でも、大丈夫です。まずは現状を把握できたあなたは一歩成長しています。次の行動に移していきましょう!

  • 乳牛検定を受けていない方はおおよそ数値を把握しましょう。

分娩間隔=365日✕繁殖に用いる経産牛頭数/年間に生まれてきた子牛の数

これで大まかな数値を求める事ができます。

次のステップ1でより具体的な数値を確認していきましょう。

【ステップ1】分娩間隔400日を切るための目標値をたてよう

目標分娩間隔390日(13ヶ月) 目標値
成牛頭数 100
目標分娩間隔 13 ヶ月
目標月分娩頭数 7.7
妊娠ロス(10%) 8.5
更新率 20
成牛群の妊娠目標頭数 6.8
受胎率 40
目標授精頭数(月) 17
目標授精頭数(週) 4

100頭牛群・更新率(初産と入れ替え)20%、受胎率40%を例にとってみます。

まず目標分娩間隔390日(13ヶ月)を達成する為には毎月7.7頭の分娩が必要になります。この7.7頭を確保する為には妊娠ロス(流産・死亡・廃用の発生を一般的に10%前後と仮定)を考慮すると1.1倍の8.5頭が必要となります。しかし、経産牛を初産牛に更新していくため、この更新率を20%と仮定すると真の成牛群の妊娠目標頭数は6.8頭となります。

もし牛群規模は50頭でしたらこの数値を50/100=0.5をかけて下さい。35頭でしたら35/100をかける。150頭でしたら150/100をかける。このおおよその数値を掴む事はとても大事です。

目標の妊娠頭数が把握できましたら、実際にどういった行動をすればいいのかを考えていきます。農場の受胎率が40%と仮定します。毎月6.8頭の妊娠牛を確保する為には6.8÷40✕100=17頭の授精が必要となります。さらに1週間に換算すると17÷4=4頭の授精が必要となります。

いかがでしょうか?100頭規模であれば毎週4頭発情を見つけて受胎率40%の授精をする!これを達成する事ができれば分娩間隔390日を達成することができます!

  受胎率20% 受胎率30% 受胎率40% 受胎率50%
成牛頭数 100 100 100 100
目標分娩間隔 13 13 13 13
目標月分娩頭数 7.7 7.7 7.7 7.7
妊娠ロス(10%)加算 8.5 8.5 8.5 8.5
更新率(%) 25 25 25 25
成牛群の妊娠目標頭数 6.3 6.3 6.3 6.3
受胎率 20 30 40 50
目標授精頭数(月) 32 21 16 13
目標授精頭数(週) 7.9 5.3 4.0 3.2

目標数値は妊娠ロス、更新率や受胎率に影響を受けます。特に影響が大きいのは受胎率です。

例えば受胎率20%の場合は毎月32頭、最低でも毎日1頭授精しなければなりません。これでは非効率的で心が折れてしまうかもしれません。受胎率が倍の40%になると半分の労力で同じ結果になります。

分娩間隔400日を切るためには受胎率も重要であることを意識して下さい。

【ステップ2】長期不受胎牛を受胎させる

分娩間隔が延長している牛群の中には発情周期が分からないので授精できない・何回授精しても受胎しないといった牛が存在します。こういった牛を抱えるほど、農場の分娩間隔は延長し、時には長期不受胎牛が牛群の30%程を占める場合もあります。

長期不受胎牛は農場の受胎率を下げ、牛群の平均乳量も下げ経済的にはマイナスのイメージがあります。淘汰して更新牛に置き換えれる状況であればさほど問題はありませんが、淘汰すると牛が居なくなってしまう状況では受胎させるしかありません。

長期不受胎牛は太っているケースが多く、仮に妊娠しても分娩前後に病気にかかってしまうリスクも高いと考えられますが、無事に分娩を乗り切れば次の乳期に活躍してくれることも考えられます。もしかしたら、次の乳期は早く受胎してさらに農場に利益をもたらすかもしれません。

まずはじめに取りかかる事は長期不受胎牛をどうするかです!

  • 受胎促進を併用して受胎させる努力をする。
  • 受胎する見込みがないと判断して思い切って、繁殖中止にする。
  • 太っていて仮に受胎しても、産前産後の病気にかかりそうだから、繁殖中止にする。

この判断は農場の状況によります。長期不受胎牛への方針決定を行ってみてください。

大切な牛です。一産でも多く、1年でも長く、飼えるように。頑張っていきましょう!

長期不受胎牛への対応は下記の記事を参考に

分娩間隔400日を切るための特化ブログ
酪農家さんのために

【ステップ3】分娩後の初回授精を速やかに行う

乳検データを参考に初回授精開始日数を確認してみましょう。

青:初回授精受胎率 黄:平均初回授精開始日数 黒棒:昨年初回授精開始日数

乳検データの授精状況:初回授精開始日数をご覧下さい。黄色マーカーで示している数値が平均初回授精開始日数です。黒下線は昨年同時期の平均初回授精開始日数です。

目標分娩間隔は400日です。つまり、目標分娩間隔400日-牛の妊娠期間280日=120日、分娩して120日以内に受胎させる必要があります。

健康な牛は分娩しておおよそ50日程で初回授精を行います。牛の発情周期は21日間隔ですので、1回目が50日とすると、2回目は71日、3回目は92日、4回目は113日と分娩間隔400日を切るための授精チャンスは4回おとずれます。

上記の図をご覧下さい。黄色マーカー:初回授精を92日で行うと120日までの受胎させる為には授精チャンスは2回。黒下線:初回授精を110日で行うと授精チャンスは1回です。特に黒下線の状況では、とてつもない受胎率(100%に近い)(実際は35%)を出さない限り、分娩間隔400日を切ることは困難といえます。現実的には無理ですね。

時の経過は早いものです。この前分娩したと思っていたら、あっというまに分娩して100日経過していたなんてことはないでしょうか?授精開始日数は分娩間隔に大きな影響をもたらします!

初回授精の分布 縦軸が頭数、横軸が分娩後の日数

先ほどの初回授精データを別の角度から確認してみましょう。

初回授精が51日から150日と大きくばらついていることが確認できます。初回授精日数は平均値よりも、このようなグラフで”初回授精のばらつき”を確認することで問題点が浮き彫りになります。

この状況下での問題は、分娩して100日を超えても30%以上の牛が授精されていないことにあります。まずは分娩後100日以上で初回授精を実施していない牛を減らしましょう。

一般的には平均初回授精開始日数は目標70日前後にしてみましょう!そうすると120日以内に3回発情を見つけて授精するチャンスがおとずれます。

【ステップ4】初回受胎率を上げる

黄色のアンダーラインは昨年の結果:初回授精開始日数が91日で初回受胎率が31%

青丸で囲った数値が今年の結果:初回授精が70日で受胎率が36%

これで、分娩分娩間隔は462日から407日に短縮予定です。

平均初回授精日数を70日前後に!その受胎率を35%以上に!

初回授精日数と初回受胎率には相関関係があります。初回授精を早めれば受胎率は低下し、初回授精を遅らせれば受胎率は上昇します。高い受胎率を求めるがために、初回授精を遅らせすぎては本末転倒です。

初回授精開始と初回受胎率はバランスが重要です。無理のない心地よいバランスを見つけてください。

分娩間隔400日をきっている牛群は、おおむね初回受胎率が40%前後で推移しています。

ここまできたら分娩間隔400日切りは半分達成できたも同然です。

それでは、最後のステップに突入です!

【ステップ5】不受胎牛を発見し、その精度を向上させる

   授精間隔      受胎率     妊娠頭数    空胎頭数     割合   
1-3日100101
4-17日60324
18-24日46242840
25-35日6712614
36-48日54131119
48日以上55161322
授精間隔18-24日が全体の40%を占め、その受胎率は46%を示している。

この表は授精を行ったけれども受胎していない牛、つまり不受胎牛に対して何日間隔で再授精できたか、その受胎状況を示しています。授精間隔を6つに分類し、それぞれの割合・受胎率をみていきましょう。

この表は分娩間隔が380日牛群の参考事例です。18-24日間隔で授精されている割合が全体の40%でその受胎率は46%です。分娩間隔400日を切る為には18-24日に区分されている正常周期の割合を増やしその受胎率をあげることが重要です。

18-24日間隔の割合を40%以上、受胎率を40%以上にすること。これが分娩間隔400日を切る為に必要な残りの半分の秘訣です。

この18-24日(正常周期)の割合が低いと、妊娠鑑定した際に不受胎牛の割合が増え、36-48日・48日以上の割合が全体の50%以上を超えるケースも珍しくありません。

授精間隔を知るために授精と授精の間隔を調べる必要があります。授精を2回以上行っている牛の授精間隔を試しに10頭程調べ、上の表にならって、正の字でもいいので書き出してみてください。

授精間隔を調べることにより、農場の授精傾向が分かります。

  • 1-3日の割合が5%以上=発情(排卵)がはっきりしない➡正確な発情発見
  • 4-17日の割合が10%以上=不定期発情・偽(裏)発情発見➡正確な発情発見
  • 18-24日の割合が40%以下=正常周期の発情発見不足➡正常周期による種付け(ここを増やす)
  • 25-35日の割合が15%以上=妊娠鑑定後のホルモン剤による授精・胚死滅
  • 36-48日までに累計100%にすることがベスト➡妊娠鑑定し速やかな再授精
  • 48日以上が増えると大きなロスに繋がる➡ただちに授精を行う手立てをする

こういった様々な特徴に受胎率という評価を加えることによって、その行動が正しいのか、はたまた実入りのない行動になっているのかを知ることができます。

改善事例をひとつ紹介しましょう。

   授精間隔      受胎率     妊娠頭数    空胎頭数     割合   
1-3日0000
4-17日0013
18-24日50116
25-35日0026
36-48日314941
48日以上507744
授精間隔18-24日が全体の6%しかなく、大半を36-48・48日以上がしめる。

正常周期の発情発見は消極的で繁殖管理は繁殖検診頼みになると上記のような状態になります。授精はほとんどホルモン剤によるものが大半を占めており、この状況下の分娩間隔は460日でした。

農場の現状を分析し、伝え、具体的な方法を提示!牧場主のやる気スイッチオン!

さて、半年後どうなったでしょう。

   授精間隔      受胎率     妊娠頭数    空胎頭数     割合   
1-3日0000
4-17日502212
18-24日835121
25-35日0039
36-48日182936
48日以上574321
授精間隔18-24日が全体の21%に増え、48日以上の割合が半分へる。

18-24日の割合が20%に上昇しました。6%から21%に上昇、その受胎率は83%です。4-17日も含めると割合は33%になります。24日以内は妊娠鑑定ができない時期なので発情発見をするしか方法がありません。ここの発情を発見する大切さを理解し、行動された結果です。

さらにもう一歩進んで、繁殖管理をクラウドサービスに切り替ました。その結果は。

   授精間隔      受胎率     妊娠頭数    空胎頭数     割合   
1-3日0000
4-17日50229
18-24日4171038
25-35日433416
36-48日273811
48日以上171513
授精間隔18-24日が全体の40%程度となる。

導入したクラウドサービスは、授精した牛の次周期が近づいたら朝に発情観察アラートがくるもので、人工知能(AI)による反芻や活動量をはかるものではありません。

今の時代、ほとんどの方が毎日スマホを見ると思います。

朝起きてスマホのアラームを止め、正常周期に発情する可能性がある牛をチェックする!

よし!今日もやるぞ!と心の中で叫ぶ!

要はこれだけです!

正常周期の発情を正確に発見できるかだけです!

分娩間隔は390日に達し、繁殖が回り牛群全体の歯車が噛み合い始めました。正常周期の発見をできるようになれば、獣医(繁殖健診)の必要性はほとんどなくなります。妊娠鑑定を18-24日に実施しているのと一緒の効果、むしろ何倍もの効果があるかもしれません。獣医師の行う妊娠鑑定は単純な確認作業になります。

実は、この事例はステップ1でお示しした乳量が110%上昇した農場です。

まとめ

以上、分娩間隔400日を切る為の方法をお伝えしました。

  1. 分娩間隔390日を達成するために、毎月(毎週)何頭の授精が必要か計算する
  2. 牛群にいる長期不受胎牛の方向性を決定する
  3. 初回授精を分娩後70日前後までに行う
  4. 初回授精受胎率を40%前後にする
  5. 正常周期の発情発見割合を全体の40%に上げ、その受胎率を40%前後にする

これをクリアできれば間違いなく分娩間隔400日を切ることができます。ただし、分娩間隔とは過去1年前の結果でありすぐに結果がでるものではありません。

しかし、日々効果的な行動を重ねていけば、日に日にチェックする牛(授精対象牛)は減り、あわせて経済的・肉体的・精神的な余裕がもたらされるでしょう!

やるのか・やらないかは自分次第です!さぁ、行動していきましょう!

下記のファイルが分娩間隔400日を切るためのツール(スプレッドシート)

コピーして使ってください。

コピー後は編集を自由にしていただき、牧場にあった内容にカスタマイズしてください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Wtz5b9aRFTOoIfzXlXMfoNg4YdvO9UQ7Gox-dySFRs0/edit?usp=sharing

コメント

  1. こんにちは、これはコメントです。
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