久しぶりのブログ更新になります。 日々の忙しさにかまけてサボってしまいましたが、今日はとても共有したいことがあります。
みなさんは、シダー使われてますか?
シダーは卵巣機能の回復や、発情同期化(シダーシンク)、受胎促進(ファストバックプログラム)などに有効です。
わたしは、もっぱらファストバックプログラムに利用しています。
インフレの波が押し寄せシダーも先日値上がりしました。
発情同期化でシダーを使うのは少々お高い感じがします。自然発情を頑張って見つけましょう。
話がそれました。最近、ファストバックプログラムを使って、効果的に受胎させることができた症例報告です。
症例1:黒毛和種 ファストバックプログラム
胎齢300日齢でミイラ変性胎子を出産
一般的に、次の妊娠は諦めることが多いですが、血統的に優秀だったため再チャレンジすることに。
2ヶ月後、左右の卵巣に卵胞嚢腫!太ってる!まずはGnrhを投与して治療実施。
すんなり、黄体形成を確認しました。しかし、自然発情はなかなか示さないためにPGを投与。明瞭な発情・卵胞がないため、PG投与後に授精はできません。
ミイラ変性を分娩したので1度、イソジンの薬液注入を実施。
ホルモン剤による授精は厳しいと判断し周期同定することに、本牛は25日周期と特定。
自然発情(エコーで発見)で授精して5日後にブリードを20日間入れました。
授精して25日経過しているので妊娠確認をしたら妊娠+。黄体が20mm程度と小さいのため、もう1週間ブリードを挿入しておくことにしました。
ブリードは抜去してもらい授精後60日で再妊娠鑑定して受胎を確認しました。
果たして流産せずに分娩までいくか?
症例2:黒毛和種 ファストバックプログラムの次発情で成功
無発情での診療依頼
分娩して70日で卵巣に黄体が確認できたのでPG注射、そして授精
結果は不受胎(泣)
PG投与して直ぐ受胎する牛もいますが、この牛は太ってて嫌な予感を感じました。
そこで、早めに周期同定することにしました。そしたら、26日サイクルと判明。
自然発情(エコーで発見)で授精して5日目にブリードを挿入し、21日間挿入しました。
授精後25日目に妊娠鑑定したところ、黄体はなく、18mm程度の良い卵胞の存在を確認。
シダーが入ったまますごい良い粘液がでてきました。今までこの牛がこんないい粘液を出したことが無いと言っていたので、受胎はしていませんがシダーによる効果なのか。
抜去し翌日授精…その5日後に卵巣を確認したら15mm程度の黄体のためHCG注射。
授精後30日で妊娠鑑定をしたら妊娠+。再妊娠鑑定も無事+。
畜主の方も喜んでくれました。
今回に症例報告まとめ
ファストバックに関して
ファストバックプログラムはそれ自体に効果もある。
ファストバックプログラムが失敗しても、その後の発情にもチャンスあり。
下図は授精後の血中プロジェステロン濃度(黄体から分泌される)をPregnant(受胎牛)とNot Pregnant(不受胎牛)で比較したものです。AI(人工授精)後、受胎牛は不受胎牛よりプロジェステロン濃度が高いことが見てとれます。ファストバックプログラムは授精後プロジェステロン濃度を上げるため、このような研究結果に基づいています。症例1がこれにあたります。
またAIする前の-9から-3の前周期のプロジェステロン濃度も受胎牛が高いことがみてとれます。前周期の黄体機能とその後の受胎性には様々な意見がありますが、一般的には高い方が良いとされています。ファストバックプログラムを実施して不受胎であった牛は高いプロジェステロン下に置かれていたことになります。これは今回の症例2にあたります。

ちょっと、理解しにくかったかもしれませんが、
ファストバックプログラムはプロジェステロン濃度が低そうな牛に有効でしょう!
プロジェステロン濃度が低い牛ってどんな牛でしょう。
兎にも角にも、なかなか受胎しない牛にファストバックプログラム是非試してみてください!
発情周期が長い牛に関して
私見になりますが、発情周期が長い個体が多い牛群に遭遇します。
一般的な発情周期は21日で、この期間に2~3回の卵胞ウェーブが起こります。
2ウェーブ牛の発情周期は約20日で、3ウェーブの牛は約22~23日と長い傾向にあります。
また、経産牛は未経産牛より1日長いです。
さらに、栄養状態の良好な牛は短く、栄養状態が良くない牛は長くなる傾向があります。
発情周期が長い牛が多く存在する場合は、栄養学的な問題が存在する可能性があります。今一度、給与メニューを再確認してみてください。



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