
分娩間隔が縮んできたんだけど、乳量が思ったより増えないなぁ・・
何でだろう?

分娩間隔と乳量には程よい関連があります
頑張って繁殖成績を良くしたのに、このような疑問を持った方、いらっしゃいますか?
実は分娩間隔を短縮させすぎると乾乳時や分娩時の問題が発生し、高泌乳牛の場合はそれほどメリットがないと言われています。
はじめに

分娩間隔とは空胎日数と妊娠期間(牛では280日)を足した値です。分娩間隔を短縮するためには空胎日数を短縮する必要があります。この空胎日数を短縮するために繁殖管理や栄養管理を行い分娩間隔を縮める努力をされているのではないでしょうか。
和牛の場合は子牛が生まれて利益となるので分娩間隔を短縮させた方が良いのですが、乳量で稼ぐ乳牛の場合はどうでしょうか?
分娩間隔と乳生産についての論文を3つ紹介します。
論文1 1984年乳量がそれ程出ていない時代。

1984年、乳量がそれ程出ていない時代の論文です。300日乳量が乳量7700キロ(分娩間隔12ヶ月・13ヶ月・15ヶ月)と乳量5900キロ(分娩間隔15ヶ月)の四つの群で経済性を比較した研究です。
結論は乳量7700キロ・分娩間隔13ヶ月の群が最適でした。
この研究の興味深い点は、分娩間隔が12ヶ月よりも13ヶ月の方が経済的に良かったと報告された点です。分娩間隔が12ヶ月から13ヶ月に伸びた場合は乳量に正の影響があり、13ヶ月を過ぎたころから負の影響がでると述べています。
つまり、分娩間隔を12ヶ月のように短縮させすぎても経済的なメリットは少ないと考えられます。
論文2 2015年 高泌乳化してきた時代

こちらの論文では乳量が9500キロ以上になると適正な分娩間隔は400日から439日で収益性が一番高いと述べられています。
泌乳持続性がある高泌乳牛は分娩間隔を多少延ばしても収益性が低下することはないが、低生産牛は泌乳後期で乳量が極端におちるので、分娩間隔を短縮させた方が有利と述べられています。
論文3 特に牛群の乳量が高い場合

この論文はイスラエルで行った論文です。イスラエルは世界トップクラスの個体乳量を誇る国です。10500~12000キロ出る様な牛群では泌乳期間を延長した方が経済的なメリットがあると述べられています。空胎日数が延長したら1日3ドル(日本ではもう少し高いと思います)ロスすると考えられている考えと矛盾します。また、イスラエルの乳価は脂肪とタンパク含有量で決定されるため、泌乳持続性のある初産は特に分娩間隔を遅らせるメリットがあると報告されています。
まとめ
まずは分娩間隔400日を目標に
高泌乳牛が分娩間隔を短縮させるメリットはあまりない
低泌乳牛は分娩間隔を短縮させる
以上、最適な分娩間隔と泌乳の持続性・乳生産レベルに大きな関連があります。
農場によって条件は様々です。高泌乳の牛はそれ程焦って授精しなくても良いかもしれませんね。個体事に管理できる場合は個々の能力に合わせて調整する方法も可能かと思います。
経験上、8000キロ牛群では分娩間隔380日、9000キロ牛群では分娩間隔390日、10000キロ牛群では400日が程よい分娩間隔かなと思っています。
牛そして人にとって、心地よい分娩間隔を目指すことが良いのではないでしょうか!



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